髪の毛は、ほうっておいても1日に50~100本は抜けます。
頭皮の毛包のうち1割は、およそ3か月間の「休止期」に入っていて、そこから抜けていきます。
でも残る9割の「成長期」の毛包がちゃんと働いていれば、薄毛にはなりません。
頭皮が見えるほど髪が抜ける男性型脱毛症(AGA)は、休止期の毛包が増えるのが原因です。
「テストステロン」という男性ホルモンが深く関わっています。
毛包の奥深くには、毛の成長の司令塔となる「毛乳頭細胞」があります。
テストステロンは、前頭部と頭頂部の毛乳頭細胞に届くと、ある酵素の働きでジヒドロテストステロン(DHT)に変わります。
すると、細胞に作用して毛の発育を止めるシグナルを出してしまいます。
DHTは女性にもわずかにあり、頭頂部の毛乳頭細胞に作用します。
ちなみに、AGAの人でも後頭部は薄くなりません。
後頭部の毛乳頭細胞は、DHTに反応しないのです。
頭髪は薄いのに、ひげや胸毛など体毛が濃い人もいますね。
DHTは、胸やひげの毛乳頭細胞には、逆に毛が成長するように作用するからです。
(2018-02-07 YOMIURI ONLINEより)