マウスに人工の細胞を移植して毛を生やす実験に成功
かつらや人工毛髪など、「ハゲ隠し」の技術は進化してきましたが、最近は皮膚に毛包細胞を移植して実際に髪を生やす方法の研究が進んでいます。この実験では、人工的にDNAを操作した幹細胞が利用されています。
米ペンシルバニア大の研究チームは、DNAを操作することでどんな細胞にも分化できる「幹細胞」を使って、髪の元になる人工の線維芽細胞を再現、一定の条件下での培養に成功しました。
この細胞をマウスの皮膚細胞に混ぜて皮膚に移植すると、発毛が認められたそうです。
同大学のシュウ博士によると、こうした発毛に関わる細胞の量産に成功したのは世界で初めてだということ。通常、髪を作る細胞が一度死んでしまうと、二度と再生することはできません。「もう一度自然に生えて、伸びる髪が生えてくる」という、ハゲに悩む全人類の夢が一歩前進したと言えそうです。
しかし、実用化にはまだ壁があります。マウスの皮膚では発毛に成功したものの、ヒトの皮膚では発毛できないのです。シュウ博士たちは、今後人間の「毛乳頭」を再生する細胞の開発に着手するということです。
遺伝だから、と諦めるしかなかった「抜け毛」「薄毛」。一度ハゲてもまた生やせる!という夢のような時代が来るのも近いかもしれません。
(2014-02-01 マイナビウーマン)